残置物撤去

残置物とは

残置物とは、その家にもともとはなかった設備や家具で、入居者が退去時に残していった私物のことを指します。残置物ができる理由はさまざまです。入居者が急死して持ち物がすべて家の中に残るケースもあれば、夜逃げや急な引越しなどで、必要最低限の荷物しか入居者が持ち出せず、私物が家の中に残ってしまうケースもあります。

残置物は勝手に処分できるのか

賃貸物件であっても、オーナーが残置物を勝手に処分することはできません。たとえ賃貸契約が終了した場合であっても、残置物を処分する前に、もとの入居者へ連絡をしましょう。なぜならそれらは私物であり、所有しているのはもとの入居者だからです。処分をするのであれば、オーナーはもとの入居者やその連帯保証人に対してその許可を取らなければいけません。これをせずに処分してしまうと、所有権の侵害で、オーナーは罪に問われる可能性もあります。

連絡が取れればいいのですが、夜逃げなどで、もとの入居者の居場所がわからないこともあります。こうしたケースでも、所有権の問題から、オーナーは残置物を一存で処分することはできません。まずは連帯保証人や家賃保証会社に連絡を取り、賃貸契約を解除すると同時に、残置物の引き取りについて交渉しましょう。だれも残置物を引き取らない場合、オーナーは、強制執行の法的手続きを取ってください。

残置物の撤去を依頼できる業者とは？

残置物の撤去する業務を行う業者はたくさんあります。ご自分の家のある地域で業者を何件か探し、まずは見積もりをお願いしましょう。ただし近年は違法にこの業務を行う業者も増えています。そのため、一般廃棄物収集運搬許可をもっている正規の業者であることを、オーナーである依頼者はかならず確認する必要があります。

業者名と許可書のナンバーを知らせれば、市役所などで正規のものかどうかを、だれでも確認可能です。また極端に安い値段を提示する業者、見積もりの項目が明らかに少ない業者などは、違法であることが多いので、注意するようにしましょう。

業者に依頼して残置物を撤去するときの費用

業者によって残置物撤去の費用はさまざまですが、一般的には、1立方メートルあたり3,000円から15,000円ほどが必要です。ここへ人件費と作業費用が加算されます。家が広いほど、あるいは階段が多いほど、費用は大きくなります。戸建てであれば、残置物撤去の総費用は30万円以内、2階以上のマンションのワンルームであれば60,000万円以内になるのが一般的です。また残置物を撤去した後、オプションとしてクリーニングを業者に依頼することも可能です。

費用を抑えるには、業者に撤去依頼するスペースをできるだけ少なくするといいでしょう。自治体で回収してもらえるものなどは、ゴミとして事前に処分しておくだけでも、費用はずいぶん抑えられます。しかし自治体が有料でゴミの回収をしている場合は、業者に一括して残置物撤去の依頼をしても、費用面で大きな差のないこともあります。